結婚式ムービーに必須の音楽。
しかし、音楽を使用する際には著作権を申請しなければなりません。「どうやって申請すればいいの？」と思いますよね。
そこで今回は、結婚式ムービーに使う音楽の著作権を申請する手順を解説します。
あわせて、使用にかかる料金と、著作権申請をせずにムービーで楽曲を使えるワザも紹介します。
結婚式ムービーを作成予定の方は、ぜひチェックしてください！
楽曲の著作権に関する団体
楽曲の著作権に関する団体は、JASRACとRIAJの2つがあります
結婚式のムービーに楽曲を使用する場合、どちらにも申請して承認を得る必要があります。
JASRAC（ジャスラック）：日本音楽著作権協会
JASRACは、作詞家や作曲家、音楽出版社など、権利者の楽曲の著作権を管理する一般社団法人です。
- 役割：音楽の著作権（作詞家や作曲家の権利）を管理。
- 対象：音楽作品の著作者（作詞家、作曲家、音楽出版社など）。
- 活動内容：音楽作品が使用された際の使用料を集め、それを著作権者に分配します。例えば、テレビやラジオ、ライブ演奏、カラオケで曲が使用された場合、JASRACが使用料を集める仕組みです。
- 主な目的：著作権者が適切な報酬を受け取れるよう、著作権を保護し、管理すること。
RIAJ：日本レコード協会
RIAJは、録音された音楽（音源）やその流通に関する権利を管理し、レコード会社やアーティストを保護する団体です。
- 役割：音楽の著作隣接権（レコード会社や演奏者の権利）を管理。
- 対象：音楽の録音物（CD、レコード、デジタル配信など）を製作・流通しているレコード会社や、実際に演奏や歌唱を行うアーティスト。
- 活動内容：レコード会社の権利を守るために、違法コピーや海賊版の取り締まり、音楽ソフトの売上データの集計や、ゴールドディスクの認定などを行います。また、デジタル音楽配信のライセンス業務も担当しています。
- 主な目的：レコード会社やアーティストが適切な報酬を受け取れるよう、音楽の流通や配信に関する権利を保護すること。
2つの団体に申請するのは手間がかかりますが、申請を代行してくれる『ISUM』という団体があります。
ISUM（アイサム）から申請する
ISUMとは、結婚式などのイベントで、音楽を使用できるようにするための管理を行う団体です。
プロフィールムービーやエンディングムービーなど、映像作品で使用する楽曲の著作権と著作隣接権の使用許可を代行しています。
ISUMを登録している結婚式場や業者のみが利用でき、個人ではISUMの利用はできません。
以下にて申請手順を紹介します。
➀使いたい楽曲がISUMに登録されているか調べる
まず、使いたい楽曲を『ISUM楽曲データベース』から検索します。
ISUMに登録されていると、『申請可能アルバム一覧』にCD名が表示されます。
なお、記載されているアルバム以外は結婚式ムービーには使えません。
ISUM楽曲データベースで『【配信音源】』と記載されている楽曲は、iTunesやAmazonなどの配信サービスで購入した楽曲が使用可能です。
【配信音源】はこちらから一覧で確認できます。
楽曲が登録されていない場合
楽曲が登録されていない場合は、以下３つの方法で解決します。
- ISUMから楽曲リクエストを送る
- 自分で団体へ著作権への申請をする
- 諦めて他の楽曲にする
ISUM内にて、『楽曲リクエスト』を送るフォームがあります。ただし、利用の可否の確認がとれるまで最短1か月、場合によってはそれ以上かかることもあるため、期間に余裕を持つことが大切です。
また、ISUMへ問い合わせると、各権利団体への案内を受けられるケースがあります。
利用の可否が待てない場合、または結果がダメであった場合は、諦めて他の楽曲にするという選択肢もあります。
➁結婚式場がISUMと契約しているかを確認する
ISUMで楽曲が調べられたら、結婚式場がISUMと契約できるかを確認します。
契約している場合
結婚式場がISUMと契約している場合、申請を代行してくれます！手続きは約1週間で完了します。
- ISUMで指定のCDアルバムを購入
- 【配信音源】と記載されている楽曲は、iTunesやAmazonで購入した楽曲でOK
- 音源をムービーに入れる
これだけなのでとっても簡単ですね。
指定のCDアルバムは中古でもよいです！レンタルは不可ですので注意しましょう。
契約していない場合
結婚式場がISUMと契約していない場合、ISUM申請代行サービスを利用する、もしくは自分で申請するの2つの方法があります。
- ISUM申請代行サービスを利用する
ISUMと契約を結んでいる業者が、申請代行を提供しているサービスがあります。
『ISUM申請代行』とネットで検索すると、多くの申請代行サービスが見つかりますよ。
- 自分で申請する
自分で申請する場合は、ISUMへお問い合わせをします。
最低でも1か月は必要になるので、期間に余裕をもって申請しましょう。
申請方法は以下を参考にしてくださいね。
■式場・ホテル等がISUMに対応していない場合
お客様ご自身で楽曲の著作権・著作隣接権の各権利者へお手続きが必要となります。ご希望の場合は、権利者へのお手続き先をご案内させていただきますので、以下の①～③をもれなくご明記の上、お問い合わせフォームよりご連絡ください。①楽曲名 ②アーティスト名 ③ご利用予定日
※ISUM楽曲データベースの登録楽曲以外はご案内が難しい場合もありますので、予めご了承ください。
※ISUMや楽曲データベースの詳細はこちら。
楽曲使用にかかる料金
楽曲使用にかかる料金は、著作権料（ISUM申請料）と、楽曲購入費用（CDまたは配信）です。
著作権料は結婚式場が指定する料金、または申請代行料金がかかります。個人で申請する場合も認可が下りた場合は料金がかかります。
楽曲購入費用は、CDが指定されている場合は必ずそのCDを購入してくださいね。中古CDがあれば安く済みます。
また、ISUMに配信音源と記載されている楽曲であれば、iTunesやAmazonなどで購入した楽曲でも使用可能です。
著作権申請をせずにムービーで楽曲を使うには
著作権申請をせずにムービーで楽曲を使う方法もあります。それは、ムービーと楽曲を同時再生してもらうことです。
- 流したい楽曲のCDを準備
- ムービーは音を入れずに作成
- 結婚式場にCDとムービーの同時再生を依頼する
この方法を使う際は、会場に同時再生の対応がしてもらえるか確認しましょう。会場がJASRACと契約している必要があります。
他には、著作権フリーの音楽を使う方法もあります。
結婚式ムービーの楽曲は余裕を持って準備しよう
この記事では、結婚式ムービーに使う音楽の著作権を申請する手順を解説しました。
ムービーに楽曲を入れたい方は、余裕を持って申請手続きを進めてくださいね。
結婚式に向けて素敵なムービーを作りましょう！
